レッドムーダンは、7世紀の唐王朝を舞台に史上唯一の女帝・武則天の少女時代を描いた中華後宮漫画だ。貧乏出身の武照がいかにして後宮の残酷な政治を生き抜き、女帝へと成り上がるのかを描く。
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※この記事は漫画『レッドムーダン』の内容を含むネタバレを扱います。未読の方はご注意ください。
漫画『レッドムーダン』とは?作品概要と見どころ

7世紀唐王朝を舞台に史上唯一の女帝・武則天の少女時代を描いた中華後宮ロマン
レッドムーダンは、7世紀の唐王朝を舞台にした中華後宮漫画だ。主人公は後に中国史上唯一の女帝となる武則天の少女時代・武照。史実として「武則天になる」という結末が確定しているにもかかわらず、そこに至るまでの過程がいかに壮絶かを描くことで読者を引き込む作品だ。
貧乏少女が後宮に入りどのように女帝へと成り上がるのか——残虐でグロテスクな宮廷政治の世界
武照は貧乏出身の少女だ。何の後ろ盾もないまま後宮に入り、残酷な四妃・陰謀を張り巡らせる貴族・命を狙う敵たちと渡り合いながら生き延びる。宮廷政治の美しさだけでなく、残虐でグロテスクな描写を含む骨太な物語として、歴史漫画ファンから高い評価を受けている。
【ネタバレ】1〜3巻あらすじ——後宮入りから才能開花まで

1巻(1〜4話)母の死をきっかけに後宮へ——楊淑妃から最初の洗礼を受ける武照
母の死をきっかけに後宮へ入ることになった武照。貧乏出身の彼女にとって、後宮はまさに未知の世界だ。そこで最初に立ちはだかるのが、四妃の一人・楊淑妃だ。
楊淑妃は随帝国を統べた楊帝公の娘という高貴な出自を持つ一方、残忍でサディスト的な性格の持ち主だ。1巻では女官をバラバラにして酒に漬けるという衝撃的なシーンで読者にその残虐性を刻みつける。武照はこの楊淑妃から最初の洗礼を受け、後宮の恐ろしさを身をもって知る。
2巻(5〜11話)鞭打ちの刑・窃盗の冤罪——徐恵の助けを得て生き残る術を学ぶ
後宮での理不尽な仕打ちは続く。武照は窃盗の冤罪を着せられ、鞭打ちの刑に処される。絶体絶命の状況で武照を救ったのが徐恵だ。博識で頭脳明晰な徐恵は武照の才能を見抜き、後宮での生き残り方を教え始める。2人は義姉妹の契りを結び、物語の核心となるバディ関係が成立する。
3巻(12〜19話)内文学館への入学と優秀な成績——空林を救うために旦陽を陥れた経緯
武照は内文学館(後宮内の教育機関)への入学を果たし、優秀な成績を収め始める。しかしここでも争いは避けられない。武照は空林を救うために旦陽を陥れるという選択をする。正義感の強い武照が「誰かを守るために誰かを傷つける」という判断を初めて下した場面であり、後の武則天へと変化していく武照の最初の転換点として機能している。
【ネタバレ】4〜6巻あらすじ——皇帝との関係深化と白石家との対立

4巻(20〜27話)鄭賢妃から夜枷を直接教わる——皇帝慰労会で夜枷候補の十枠を争う展開
四妃の一人・鄭賢妃が武照の才能を見抜き、直接「夜枷」を教え始める。鄭賢妃は残忍な楊淑妃とは対照的に、武照の母親のような存在として陰から強力にバックアップする人物だ。皇帝慰労会では夜枷候補の十枠をめぐる争いが展開され、武照は徐々に皇帝の目に留まる存在となっていく。
5巻(28〜35話)行灯落としの陰謀を暴いた武照——旦陽の処刑決定と皇帝との夜伽
慰労会で起きた「行灯落とし」という陰謀を武照が暴く。この活躍によって武照の評価は一気に上がり、皇帝・李世民との夜伽という展開に至る。一方で旦陽の処刑が決定され、物語の緊張感は高まり続ける。
旦陽の最後の処刑方法——皇帝の命を危険にさらした罪
旦陽の処刑方法は牢の中での頸動脈切断だ。皇帝の命を危険にさらした罪として科されたこの極刑は、後宮における「失敗の代償」の重さを改めて示す場面だ。武照を陥れようとした旦陽の末路は、後宮で生き残ることの厳しさを読者に突きつける。
6巻(36〜43話)白石家と燕徳妃が手を組む——毒殺を免れた武照と玲玉の懐妊示唆
白石家という有力貴族と燕徳妃が手を組んで武照の排除を図る。毒殺の試みは失敗に終わるが、武照の危機は続く。さらに玲玉の懐妊を示唆する描写が入り、次巻への伏線が張られる。後宮の権力争いが武照の個人的な人間関係にも影響を及ぼし始める展開だ。
【ネタバレ】7〜9巻あらすじ——玲玉の死と稚奴との出会い

7巻(44〜51話)玲玉が子と共にナッツアレルギーで死亡——毒殺の黒幕を突き止めた武照
7巻で最大の悲劇が起きる。玲玉が子と共にナッツアレルギーによって死亡した。一見すると事故のように見えるが、武照はこれが白石家による毒殺であると突き止める。親しい人間を失った怒りと悲しみが、武照の覚悟をさらに固める。
8巻(52〜59話)毒入り湯圓を自ら口にして証拠を示した武照——白石家への報復と燕徳妃打倒の誓い
白石家の毒殺を証明するために、武照は毒入りの湯圓(もち米団子)を自ら口にするという命がけの選択をした。自分の体を証拠として使うことで疑いを晴らすというこの行動は、武照の覚悟の深さを示す場面だ。白石家への報復と燕徳妃打倒を誓った武照の物語は、ここから新たな段階へと進む。
9巻(60〜66話)コオロギ相撲で出会った少年稚奴——正体が「晋王 李治」だった衝撃の展開
9巻では、コオロギ相撲という庶民的な遊びの場面で武照が一人の少年・稚奴と出会う。屈託のない笑顔を持つこの少年の正体が、皇帝候補の一人「晋王 李治」だったという衝撃の展開が描かれる。史実において李治(後の高宗)は武則天の夫となる人物だ。この出会いは、武照が女帝へと至る道の重要な始まりとして機能している。
各巻のあらすじ詳細についてはこちらのネタバレ解説記事やこちらの全巻あらすじまとめでも詳しく紹介されている。
漫画『レッドムーダン』の結末を4つの視点から考察

楊淑妃の正体——随帝国を統べた楊帝公の娘がもたらした武照成長の最初のきっかけ
楊淑妃は随帝国を統べた楊帝公の娘という高貴な出自を持つ。その残虐な洗礼が武照に後宮の現実を叩き込み、成長を強制したという意味で、楊淑妃は武照にとって「最初の師」とも言える存在だ。今後の物語で楊淑妃が武照に対してどう動くかは、作品の重要な見どころの一つだ。
旦陽の処刑はどうなったのか——頸動脈を切られた極刑の詳細と背景
旦陽の処刑は牢の中での頸動脈切断という形で実行された。皇帝の命を危険にさらしたという罪の重さに対する処罰だが、旦陽を追い詰めたのは後宮という環境と白石家の政治利用でもあった。武照が旦陽を陥れた経緯を踏まえると、この処刑は武照にとっても単純には喜べない結末として機能している。
徐恵と武照の義姉妹関係はどうなるのか——史実で20代で早逝した記述が示す不安
武照の最大の理解者・徐恵は史実において20代という若さで早逝した記録がある。作中でも3巻で武照のために身を挺してかばう場面が描かれており、その献身ぶりが際立つ。【考察】史実の記述が示す通り徐恵が早逝する展開になるとすれば、武照の孤独と変化を加速させる最大の転換点になる可能性がある。
皇帝の座を掴むのは誰か——武則天として女帝になることが確定している武照の道のり
史実において武照が武則天として中国史上唯一の女帝になることは確定している。稚奴こと李治との出会いは、武照が太宗(李世民)の後宮から高宗(李治)の妻へと立場を変え、最終的に自ら皇帝となる長い道のりの始まりだ。残虐な後宮をどのように生き抜き、武照がどのタイミングで「変わって」いくのかが今後の読みどころだ。
漫画『レッドムーダン』の主要登場人物紹介
武照——貧乏出身ながら正義感と心の広さで後宮を生き抜く後の武則天
本作の主人公。貧乏出身でありながら高い知性と正義感、そして相手の本質を見抜く洞察力を持つ。現時点では心の広い少女として描かれており、「なぜ悪女と言われるようになるのか」という読者の期待と疑問を引き続ける存在だ。
楊淑妃——残忍でサディスト的な四妃。女官をバラバラにして酒に漬けた衝撃シーン
四妃の一人で随帝公の娘。1巻の女官解体シーンで読者にその残虐性を強烈に印象付けた。武照の最初の敵として機能しており、後宮の恐ろしさを体現するキャラクターだ。
鄭賢妃——武照の師匠・母親のような存在として陰から強力にバックアップする四妃
楊淑妃とは対照的に、武照を温かく見守り直接「夜枷」を教える四妃だ。母親のような存在として武照の成長を支えており、後宮の中での数少ない武照の味方として機能している。
徐恵——義姉妹の契りを結んだ武照の最大の理解者。身を挺してかばった場面
博識で武照の才能を最初に認めた人物。3巻で武照のために身を挺してかばう場面は、2人の義姉妹としての絆の深さを示した。史実における早逝の記録が読者に不安を与え続けるキャラクターでもある。
旦陽・陛下(李世民)——武照を葬ろうとした敵役と武照の雰囲気に魅了された唐の第2代皇帝
旦陽は武照を陥れようとした敵役として描かれたが、後宮という環境に利用された被害者的な側面も持つ。陛下・李世民は唐の第2代皇帝であり、武照の才気と雰囲気に魅了されていく存在だ。史実では李世民の死後、武照は李治(高宗)と結婚することになる。
登場人物の詳細についてはciatrのレッドムーダン解説記事やこちらの1巻詳細レビューでも詳しく紹介されている。レッドムーダンの関連記事は当サイトの漫画・エンタメ解説記事一覧もあわせてご覧ください。
漫画『レッドムーダン』の口コミ・評価・感想まとめ
「どうして悪女と言われるようになるのか早く知りたい」——心優しい武照の変化への読者の期待
レッドムーダンへの感想として最も多く見られるのが、「現在の武照が心優しいからこそ、なぜ武則天と呼ばれるようになるのかが気になって仕方ない」という声だ。史実の結末が決まっているにもかかわらず、そこに至る過程を見たいという強い引力が本作の魅力の核心だ。読者がページをめくる手を止められない理由はここにある。
「残虐でグロテスクなシーンあり。苦手な人は注意」——中国の歴史を知らなくても楽しめる理由
1巻の女官解体シーンに代表されるように、本作には残虐でグロテスクな描写が含まれる。苦手な人への注意喚起が必要な一方で、中国の歴史を全く知らない読者でも「後宮という世界での生存競争」という普遍的なドラマとして楽しめるという評価も多い。歴史知識なしでも引き込まれる物語構成が読者層を広げている。
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レッドムーダンは「史上唯一の女帝になることが確定している少女が、なぜそうなったのか」という問いを軸にした作品だ。現在の武照の正義感と心の広さが、後宮という過酷な環境によってどう変化していくのかという過程こそが、本作最大の見どころだ。稚奴(李治)との出会いという新たな章の始まりとともに、武照の物語はいよいよ核心へと向かいつつある。